お金を借りた人が目指すもの、それが「完済」です。借りたお金は返さなくてはいけません。そして、その重荷から解放される瞬間、それが「完済」です。
しかし、それはあくまで、利用者にとっての話です。キャッシング会社にしてみれば、「完済」というのは、最も嫌な返済です。もちろん、貸したお金というものはいずれは返してもらわないと困ってしまうのですが、 キャッシング会社はお金を貸すのが商売なので、返されてしまうと困ってしまうのです。さらにいえば、「完済できる人」というのは返済能力が高く、返す意志もしっかりした「すばらしいお客様」なわけです。 そのような「すばらしいお客様」を失うことは、キャッシング会社としてはどうしても避けたいものなのです。
そのため、キャッシング会社は、ちょっとした「小さなこと」をして、少しでもつなぎ止める努力をしているのです。
通常、返済というものは最終的に「○百○十円」という、中途半端な数字になります。店頭であれば全く問題はないのですが、ATMでの返済の場合、システム上、そのような小銭に対応していない場合が多いのです。そのため、1000円未満の債務(借金の残り)は、 取引上は完済扱いにする、というシステムになっている会社が大半です。つまり、最後に残った中途半端なお金は、「利息なし」で融資しますよ、ということです。
一見、善意でやっているように見えるシステムですが、このようにするには立派な理由があります。「すばらしいお客様」をつなぎ止めることができる、という理由です。もちろん、 小さな額ではありますが、利用者にとっても「無利息で貸してくれる」ワケですから、ありがたいといえばありがたいシステムです。
実際問題、店頭であれば、最後の1円まで完済することは可能なのですが、ほとんどの人はそういうことはしません。たとえATMのすぐ隣にカウンターがあったとしても。
1000円未満債務というのは、そのキャッシング会社を再び利用しないのであれば、一生放っておくこともできます。そう考えれば確かにうれしいといえばうれしいサービスなのですが、やはり「完全な完済」の気持ちよさにはかなわないような気もします。どちらを選ぶかはもちろん、 その利用者次第なのですが。